[P11-6] 進行性核上性麻痺における反復4連発磁気刺激法による神経可塑性の検討
【目的】進行性核上性麻痺(PSP)において,反復4連発磁気刺激法(Quadripulse stimulation:QPS)を用いて神経可塑性の異常の有無を明らかにする.【方法】対象はMDS-PSP criteria 2017によりPSPと診断された13例(年齢76.2±7.5歳).左一次運動野に対して長期増強(LTP)様効果をもたらすQPS-5を施行し,QPS施行前後のMEP振幅の変化を計測した.QPS前後でのMEP振幅の比(MEP ratio)をとり,年齢や認知機能,運動機能との相関について検討した.【結果】PSPにおいてQPS-5の施行前後でのMEP振幅に有意な変化はなくLTP様効果は誘導されなかった[平均MEP raio = 1.04±0.12(SE), 平均MEP振幅±SE:QPS前 890.4±101.7 mV vs QPS後 946.0±142.1 mV,p = 0.47].年齢(R2=0.0238), MMSE(R2=0.0002),FAB(R2=0.0138),MDS-UPDRS part 3(R2=0.092)のいずれも有意な相関は認めなかった.【結論】PSPにおいて神経可塑性誘導が障害されている可能性がある.