日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 経頭蓋電気刺激(超音波刺激等他の脳刺激法を含む)

[P11-7] 閾値探索法を用いた,筋萎縮性側索硬化症の運動野皮質内抑制回路異常の検討

大塚十里1, 代田悠一郎1,2, 小玉聡1, 濱田雅1, 戸田達史1 (1.東京大学 医学部 附属病院 脳神経内科, 2.東京大学医学部附属病院 検査部)

【目的】近年経頭蓋磁気刺激(TMS)により測定される短潜時皮質内抑制(SICI)が減少・消失することが,ALSの病初期において認められることが報告されている.今回,閾値探索(TH)法を用いて,ALSのSICIを測定し,運動野皮質内抑制回路異常を検討することとした.【方法】左右FDIを被験筋とし,TH法を用いて安静時運動閾値(RMT)と,SICI・皮質内促通(ICF)を測定した.二発刺激で得られた閾値とRMTとの比を百分率で表し解析した.【結果】計19人,延べ21人(女性6人)のALS患者が対象となった.安静時MEP導出不能であったのは13肢(30%)であった.全症例における平均SICIは4.9%,ICFは-3.0%,どのISIでもSICIを認めなかったのは8肢(18%)であった.【結論】ALS患者では一定の割合でSICIの消失を認めるも,閾値の上昇によりSICIを測定できない症例も少なからず認められた.白人と比して閾値の高いとされる日本人では手法の改善が望ましいことが示唆された.