[P11-8] 頭頂部に対する経頭蓋交流電流刺激が平衡機能に与える影響
【目的】経頭蓋交流電流刺激(tACS)は大脳皮質の活動を周波数依存性に修飾すると報告されている。本研究では頭頂部に対するtACSが平衡機能に与える影響を検討した。【方法】対象は,右利き健常成人10名。tACSは左右頭頂部(P3,P4)に電極を設置し,刺激強度1mAで15分間実施した。tACSの刺激周波数は10Hz,20Hz,40Hzおよびshamを用い,日を変えて行った。平衡機能検査はtACSの前後で重心動揺計を使用し,ラバーマット上で静止立位60秒,頭部回旋立位20秒の総軌跡長を開眼および閉眼条件で測定した。【結果】20 Hz tACSでは閉眼静止立位,20Hzおよび40 Hz tACSでは開眼頭部回旋立位での総軌跡長が刺激後にそれぞれ短縮した。【結論】tACSは周波数依存性に平衡機能を促通することが示唆された。頭頂部における平衡機能の感覚情報処理は,姿勢保持における視覚系,前庭系および体性感覚系の相互作用によって関連する脳内の振動現象が異なる可能性がある。