[P12-2] POEMS症候群における軸索特性の変化:CIDPとの対比の観点から
【目的】POEMS症候群は脱髄性多発ニューロパチーを来すが、その病態には未だ不明な点が多い。POEMS症候群における軸索特性の変化を、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)との比較の観点から検討する。【方法】2006年から2018年の間に当科を受診した、初発もしくは増悪期にある、POEMS症候群27例、typical CIDP19例、正常対照100例を対象とし、軸索興奮性検査所見について比較検討した。【結果】強さ・時間曲線の時定数は、POEMS群の方がCIDP群よりも大きかった。閾値電気緊張法では両群ともにfanning-outがみられたが、POEMS群でその程度は小さかった。Recovery cycleでは、POEMS群ではsupernormalityの増大がみられ、late subnormalityは減少していた。【結論】POEMS症候群でみられた軸索特性の変化は、脱髄のみでは説明できず、浮腫や軸索膜におけるイオンチャネルの異常が関与している可能性が考えられた。