日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター その他の生理検査(軸索興奮性、その他の誘発電位など)

[P12-3] 遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシスの小径線維ニューロパチー評価の新手法: Sudoscanの有用性の検討

増田曜章1, 三隅洋平1, 村上華純2, 野村隼也1, 岡田匡充1, 井上泰輝1, 大林光念2, 安東由喜雄1,3, 植田光晴1 (1.熊本大学 大学院生命科学研究部 脳神経内科学講座, 2.熊本大学 大学院生命科学研究部 構造機能解析学分野, 3.長崎国際大学 薬学部 アミロイドーシス病態解析学)

【目的】遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシス(別名TTR-FAP)の多くの患者は、小径線維ニューロパチー(SFN)による感覚障害や自律神経障害で発症する。本研究では、簡便かつハイスループットにSFNを評価可能な新たな検査法である Sudoscan が本症の病態評価に有用か検証した。【方法】TTR-FAP患者32名、未発症TTR遺伝子変異保因者5名、コントロール群13名を対象として臨床的重症度、神経伝導検査、定量的感覚検査、およびSudoscanを用いて両手掌および両足底の皮膚電気化学コンダクタンス(ESC)を解析した。【結果】TTR-FAP患者では手掌ESC: 52.2±23.8 μS、足底ESC: 36.7±26.4 μS とコントロール群(手掌75.1±10.5 μS、足底78.0±9.7 μS)に比べて低値であった(p<0.01)。また、ESCは末梢神経障害や自律神経障害の重症度、温痛覚閾値と負の相関を示した。【結論】Sudoscanを用いた解析は、TTR-FAP患者の病態評価法として有用と考えられる。