[P12-4] 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺患者の運動神経軸索興奮性に運動負荷が与える影響
【症例】19歳男性,初発の低カリウム性周期性四肢麻痺発作を発症し当院に緊急入院した.甲状腺機能亢進症を認め,Prolonged exercise test(PET)にてCMAP振幅低下を認め,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺と診断した.この症例の運動神経軸索興奮性が,運動負荷により受ける影響を評価するため,PET前,運動負荷終了から45分後,および翌日CMAPが回復した時点の3回,尺骨神経で運動神経軸索興奮特性試験を行った.PET前に比較してPET後にThreshold electrotonusおよびI-V relationshipにて過分極性条件刺激に対する興奮性低下を示し,翌日にこの所見は消失した.【考察】先行報告において甲状腺中毒性周期性四肢麻痺患者においても,遺伝性低カリウム性周期性四肢麻痺患者と同様に内向き整流性カリウム電流の低下が示唆されている.本症例は,このイオン電流異常が運動神経軸索においても認められる可能性を示唆した.