[P12-6] 電気刺激による細胞膜脱分極の容積伝導体的解釈
組織内に埋没している神経組織への電気刺激による脱分極は、現在の生理学の教科書では、もっぱら電気力線的に解釈されている。しかしこの方法では電気力線が細胞膜を何度も貫通することやクロナキシーの細胞体と軸索の違いなど明確に説明できない部分がある。組織への電気の広がりを、細胞膜は絶縁で、細胞内物質や細胞外物質は容積伝導体として検討した。陰極刺激では電子が軸索周囲に広がることで細胞膜外の電位が低下し脱分極は達成される。陽極刺激では電極直下の細胞膜外の電圧上昇に伴い細胞膜内局部は陰極化するため膜は過分極するが、軸索は長さを持つため、電極から離れた部分では相対的に陽極となり、細胞外の相対的電圧低下に伴って結果細胞膜は脱分極する。運動誘発電位の陽極刺激などクロナキシーの違いについても説明可能である。この解釈について議論したい。