日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 精神疾患

[P13-5] 安静時心電図生理指標による自閉スペクトラム症の自律神経機能に関する予備的解析

高野万由子1,2, 李雪梅2, 中西智也2,3, 三村悠2, 和田真孝2, 宮崎貴浩2, 中島振一郎2, 三村將2, 野田賀大2 (1.帝人ファーマ株式会社 医療技術研究所, 2.慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室, 3.東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室)

【目的】臨床心電図は、心拍変動を計算することで自律神経機能を推定することが可能であり、精神疾患鑑別への応用が期待される。本研究では安静心電図データから自閉スペクトラム症(ASD)に特徴的な心電図生理指標を同定することを目的とした。【方法】健常者(HC)18名、ASD11名に対して、安静心電図を計測した。心電図データから心拍変動の時間・周波数ドメイン解析及び各周波数パワースペクトルのジニ係数(SpG)を算出し、各生理指標に関してt検定にて群間比較を行った。【結果】ASD群ではHC群と比べ、心電図の低周波パワーのSpGが有意に増加しており(t=2.35、df=24、p=0.026)、ASDでは交感・副交感神経系活動がHCと比べ相対的に増加している可能性が示唆された。【考察】安静心電図から算出される心電図生理指標はASDに特徴的な自律神経機能を反映する可能性が示唆された。今後は被験者を増やしさらに詳細な解析を追加していく予定である。