日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター てんかん

[P14-1] 頭蓋内脳波記録を行った根治的てんかん外科治療後の発作再発例の検討

田村健太郎, 佐々木亮太, 中瀬裕之 (奈良県立医科大学 医学部 脳神経外科)

【目的】難治てんかんに対して根治的外科治療後発作寛解しなかった症例の原因を推測. 【方法】2007-19年に行った症例のうち1年後の発作予後が判定できた112例を対象. ILAE class 1とそれ以外に分類.予後不良原因を推定して以下の5群に分類1)sampling error,2)不可避3)手術不備4)発作起始域にeloquent areaが存在5)切除範囲を超えたてんかん原性ネットワークが存在.【結果】発作予後不良群は36例32.1%.原因1)3例8.3%2)3例8.3%3)4例11.1%4)8例22.2%5)17例47.2%.5)のうち発作時脳波が同時に広範囲の電極から出現して切除範囲が決定できなかった症例が5例(5-1)),発作起始域が同定でき,そのすべてが切除できたが発作が再発した症例が12例(5-2)).【考察/結論】5-1)を回避するためには,発作起始域の空間解像度を改善する必要がある.5-2)のような広範囲にてんかん原性ネットワークが潜在する病態では,切除術の適応評価は慎重にすべき.