[P14-11] 睡眠紡錘波と徐波振動の連関に与える発作間欠期てんかん性放電の影響
【目的】近年、発作間欠期てんかん性放電(IED)が、記憶障害に関与することが示されているが、その機序は不明である。本研究では、睡眠中の記憶の固定化に重要な睡眠紡錘波と徐波振動の連関に与える影響を検討する。【方法】対象は、頭蓋内-頭皮上脳波の同時記録を行った内側側頭葉てんかん患者10名。IEDは海馬の深部電極から同定した。紡錘波と徐波振動は頭皮上脳波(Fz、Cz)から抽出し、両者の連関強度をmean resultant vector length(MRVL)を用いて推定し、IED直後とそれ以外の時間帯で比較した。【結果】解析時間は62.2±2.1分で、抽出したIED数は1544±681であった。Fzにおいて、IEDの直後に出現する紡錘波と徐波振動のMRVLは、それ以外の時間帯に比べて有意に低下していた(0.18±0.07 vs. 0.22±0.10)。CzではIEDの効果は有意ではなかった。【結論】海馬のIEDは、前頭部における紡錘波と徐波振動の連関を減弱させる。