日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター てんかん

[P14-11] 睡眠紡錘波と徐波振動の連関に与える発作間欠期てんかん性放電の影響

上原平1, 向野隆彦2, 横山淳2, 岡留敏樹2, 迎伸孝3, 重藤寛史4, 酒田あゆみ5, 赤松直樹1, 村井弘之1 (1.国際医療福祉大学 医学部 脳神経内科, 2.九州大学大学院 医学研究院 神経内科学, 3.九州大学大学院 医学研究院 脳神経外科, 4.九州大学大学院 医学研究院保健学部門 検査技術科学分野, 5.九州大学病院 検査部)

【目的】近年、発作間欠期てんかん性放電(IED)が、記憶障害に関与することが示されているが、その機序は不明である。本研究では、睡眠中の記憶の固定化に重要な睡眠紡錘波と徐波振動の連関に与える影響を検討する。【方法】対象は、頭蓋内-頭皮上脳波の同時記録を行った内側側頭葉てんかん患者10名。IEDは海馬の深部電極から同定した。紡錘波と徐波振動は頭皮上脳波(Fz、Cz)から抽出し、両者の連関強度をmean resultant vector length(MRVL)を用いて推定し、IED直後とそれ以外の時間帯で比較した。【結果】解析時間は62.2±2.1分で、抽出したIED数は1544±681であった。Fzにおいて、IEDの直後に出現する紡錘波と徐波振動のMRVLは、それ以外の時間帯に比べて有意に低下していた(0.18±0.07 vs. 0.22±0.10)。CzではIEDの効果は有意ではなかった。【結論】海馬のIEDは、前頭部における紡錘波と徐波振動の連関を減弱させる。