50th Memorial Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neurophysiology (JSCN)

Presentation information

一般演題ポスター

一般演題ポスター てんかん

[P14-19] 一過性てんかん性健忘の臨床的特徴

中村和1, 本多正幸2, 邉見名見子1,3, 高橋良輔1, 池田昭夫4 (1.京都大学大学院医学研究科 脳病態生理学講座 臨床神経学, 2.京都大学大学院医学研究科 臨床病態検査学, 3.武田総合病院 リハビリテーション科, 4.京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座)

【背景・目的】
一過性てんかん性健忘(TEA)は発作性の健忘症状をきたす症状群で、一過性全健忘に類似した症状でありながら、治療や予後は大きく異なる。当院てんかん外来で経験した5症例について、臨床像を後方視的に検討した。
【結果】
発症年齢は61.2±6.2歳、診断に至るまでは2.8±3年、追跡期間は2±1.7年であった。4例で健忘発作は複数回繰り返され、出現時刻は4例が午前中で、持続時間は30分から数時間が多く、最長で半日であった。発作間欠期のHDS-R、MMSEは28.5±1.7点といずれの症例においても保たれ、神経学的に異常所見を認めなかった。4例で左または右側頭部にてんかん性放電や間欠性徐波を認める一方、MRI上は4例で異常所見を認めなかった。4例では単剤かつ少量の抗てんかん薬による治療で健忘発作の再発はなかった。
【結語】
TEAには一部多様性があり、治療可能な健忘症状の鑑別として詳細な病歴聴取と積極的な脳波検査を行うことが重要である。