日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 睡眠

[P15-10] 終夜睡眠ポリグラフとの同時計測によるFitbit Charge3の睡眠段階判定精度評価

鈴木陽子1, 岡部聡美1,2, 阿部高志1, 川名ふさ江1,3, 小久保利雄1, 柳沢正史1 (1.筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構, 2.筑波大学大学院 人間総合科学研究科, 3.順天堂大学大学院 医学研究科 心血管睡眠呼吸医学講座)

【目的】近年,睡眠段階をより簡便に評価する方法として,Fitbit社製の腕時計型睡眠計測装置が一般にも用いられている。本製品は装置の改良が頻繁に行われているが,Fitbit Charge3の睡眠段階判定精度は不明であるため,本装置の精度評価を目的として本研究を実施した。
【方法】健常被験者44名を対象とした(平均23.5±7.8歳, 女性14名)。Fitbit Charge3を右腕に装着し,Fitbitが提供するアルゴリズムを用いて睡眠段階(覚醒,軽睡眠[N1,N2], 深睡眠,レム睡眠)を求めた。米国睡眠認定技師一名が判定した終夜睡眠ポリグラフ(PSG)の同時計測結果を正解とし,本装置による睡眠段階判定精度を求めた。本研究は倫理委員会の承認を得て実施された。
【結果】PSGとFitbitの一致率とκ係数はそれぞれ 70.9%と0.53(中央値)であった。
【結論】Fitbit Charge3による睡眠段階判定精度は低く,睡眠段階の簡易測定法としては,更なる精度改善が必要であることが示唆された。