[P15-3] 若年健常者における睡眠時心拍数及び心臓自律神経系活動と睡眠段階との関係
本研究の目的は、心拍数及び心臓自律神経系活動とPSG検査により判定された睡眠段階との関係についてデータを比較し睡眠分析精度向上の一助とすることである。心臓自律神経系活動は心拍変動により求められる。本研究で用いるのはTone-Entropy法と呼ばれる手法で、心電図のRR間隔の変動率を求め、その統計的性質から自律神経系活動を計測する。被験者には睡眠障害、心循環系障害等の既往歴がない健常な男子大学生を用いた。測定は静謐な部屋においてPSG検査により脳波、心電図、筋電図等の生体信号を取得した。睡眠時間は就床22時ごろ、起床6時ごろで睡眠時間8時間を確保した。心拍数及びTone-Entropy法により、とりわけレム睡眠に対する反応とみられる変化がみられた。レム睡眠にともなう脳神経系活動の賦活が心臓自律神経系へも影響を及ぼし心拍数の増大、Entropyの低下が生じたと思われ、副交感神経系活動の抑制が起こっているのではと推察された。