[P15-6] ナルコレプシーから注意欠陥・多動性障害へ診断が変更となった一例
【背景】ナルコレプシーの診断はMSLT検査を中心に行われるが, 不適切な睡眠衛生から適切な診断に至らない症例も少なくない. 入院による精査によりナルコレプシーから注意欠陥・多動性障害(Attention Deficit/ Hyperactivity Disorder: ADHD)へ診断が変更となった症例を経験したため報告する. 【症例】40代女性. 25歳時にナルコレプシーの診断となり, 中枢神経刺激薬を使用していた. X-2年に人間関係のストレスから, 易怒性, 抑うつ気分が出現し, 近医精神科を受診して, うつ病の診断となった. 外来通院加療で症状が改善しないため, X年に杏林大学医学部付属病院へ紹介され, 入院となった. 入院後の精査でADHDへと診断が変更となり, 治療方針の変更により症状の改善を認めた. 【考察】ADHDは睡眠・覚醒リズム障害による過眠症状を伴いやすいため, MSLT検査上でナルコレプシーと診断されることがあるが, 入院精査により適切な診断・治療に繋がったと考える.