日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 睡眠

[P15-6] ナルコレプシーから注意欠陥・多動性障害へ診断が変更となった一例

田中彰人1,2, 高江洲義和2, 菅さくら2, 村尾昌美2, 稗貫理恵3, 中島亨4, 神林崇5, 渡邊衡一郎2 (1.桜ヶ丘記念病院, 2.杏林大学 医学部付属病院 精神神経科学教室, 3.多摩病院, 4.杏林大学 医学部付属病院 保健学部, 5.筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構)

【背景】ナルコレプシーの診断はMSLT検査を中心に行われるが, 不適切な睡眠衛生から適切な診断に至らない症例も少なくない. 入院による精査によりナルコレプシーから注意欠陥・多動性障害(Attention Deficit/ Hyperactivity Disorder: ADHD)へ診断が変更となった症例を経験したため報告する. 【症例】40代女性. 25歳時にナルコレプシーの診断となり, 中枢神経刺激薬を使用していた. X-2年に人間関係のストレスから, 易怒性, 抑うつ気分が出現し, 近医精神科を受診して, うつ病の診断となった. 外来通院加療で症状が改善しないため, X年に杏林大学医学部付属病院へ紹介され, 入院となった. 入院後の精査でADHDへと診断が変更となり, 治療方針の変更により症状の改善を認めた. 【考察】ADHDは睡眠・覚醒リズム障害による過眠症状を伴いやすいため, MSLT検査上でナルコレプシーと診断されることがあるが, 入院精査により適切な診断・治療に繋がったと考える.