50th Memorial Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neurophysiology (JSCN)

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 意識障害(神経救急・脳死を含む)

[P16-3] 頭部外傷後急性期に時定数2秒の頭皮上脳波で皮質拡散脱分極(Cortical spreading depolarizations:CSDs)を記録できた2症例:臨床的意義と記録条件の考察

梶川駿介1, 松橋眞生2, 人見健文3, 塚本剛士4, 高谷美和1, 舟木健史5, 山尾幸広5, 菊池隆幸5, 吉田和道5, 長谷川浩史6, 澤田眞寛7, 漆谷真4, 高橋良輔1, 池田昭夫2 (1.京都大学大学院医学研究科 臨床神経学, 2.京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学, 3.京都大学大学院医学研究科 臨床検査学, 4.滋賀医科大学医学部附属病院 脳神経内科, 5.京都大学大学院医学研究科 脳神経外科学, 6.滋賀県立総合病院 脳神経内科, 7.滋賀県立総合病院 脳神経外科)

【症例】
症例1は82歳女性(塚本ら, 2020),症例2は77歳男性. 両症例とも頭部打撲後に意識障害が出現し,打撲側の反対側(症例1 左側,症例2 右側)に急性硬膜下血腫を認め,開頭血腫除去術施行後も意識障害が回復しなかった. 時定数2秒の頭皮上脳波で,症例1では右半球後方四半域に1周期40-65秒,症例2では左前側頭部に1周期25-60秒の周期性の巨大陰性電位を認め,2例目はデジタル復元フィルター(時定数10秒)で周囲電極への波及が確認され, 皮質拡散脱分極(Cortical Spreading Depolarizations: CSDs)と判断した.
【考察】
2症例とも急性頭部外傷後のCSDsを認め,急性期遷延性意識障害との相関が示唆された. 同様の報告は直流アンプであるが(van Putten et al, 2015),今回時定数2秒で頭皮上から記録された要因は脳内で著しく漸増漸減する脳電位の存在と考えられた.