[P17-3] てんかん重積状態における眼球偏位・頭部回旋の臨床的意義の検討
【目的】てんかん重積状態における眼球偏位・頭部回旋の臨床的意義の検討。【方法】症例は右半球起始のてんかん重積状態にて両方向性の眼球偏位・頭部回旋を呈する89歳女性。31分のビデオ脳波記録をオフラインで視察し、眼球運動はF7,F8に混入する眼電図、頭部運動はビデオで解析した。律動性徐波(RSA)は6連続以上の波形、DC shiftはTC=2.0sで平均基準電極法の振幅が20μV以上とした。【結果】眼球偏位はすべて頭部回旋と同方向で右50回、左16回認め、運動開始の時間差は左向きで有意に長かった(右99.0±253.8ms(平均±SD)、左277.1±513.5ms, p=0.029, Mann-Whitney U検定)。DC shiftは15.2%で出現し、振幅と運動開始-RSAの時間差とが有意に正相関した(p<0.05、Spearman順位相関)。【結論】てんかん重積状態において眼球偏位-頭部回旋の時間差は焦点側の評価に有用である。本症例のDC shiftはてんかん伝播に対する抑制性の活動を反映した可能性がある。