[P17-4] 眼と指の運動協調はパーキンソン病より脊髄小脳変性症でより障害されている
【目的】正確にリーチングを行うためには、標的に向かって眼球運動が先行しその視覚的情報を基に指が動く必要がある。脊髄小脳変性症(SCA)とパーキンソン病(PD)でその異常を検討する。【方法】対象は純粋小脳型SCA(SCA6、SCA31)12名、PD10名、健常者(NC)31名。中央から標的にリーチングする課題で、眼球・指運動を同時記録。【結果】眼あるいは指の最終的到達点と標的間の距離が、SCAでNCより有意に大きく(p=0.00, 0.01)、PDでは大きいがNCと有意差なし(p=0.53, 0.64)。これらの距離はPDでNCと同程度正の相関をしたが(r=0.66, 0.65)、SCAでは相関がより弱かった(r=0.53)。NC/PDでは眼の動き始めから指の動き始めまでの時間が比較的一定であったが(293±133ms/251±117ms)、SCAでは延長し、かつばらついた(433±203ms)。【結論】眼と指の空間的時間的連関はPDよりSCAで強く障害されている。