日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 運動調節・眼球運動

[P17-4] 眼と指の運動協調はパーキンソン病より脊髄小脳変性症でより障害されている

寺田さとみ1, 徳重真一2, 市川弥栄子2, 宮崎泰2, 内堀歩2, 高橋祐二3, 松田俊一4, 濱田雅5, 千葉厚郎2, 宇川義一6, 辻省次7, 寺尾安生1 (1.杏林大学 医学部 病態生理学, 2.杏林大学 医学部 神経内科, 3.国立精神・神経医療研究センター 神経内科, 4.NTT東日本関東病院 神経内科, 5.東京大学 医学部 神経内科, 6.福島県立医科大学 ヒト神経生理学, 7.国際医療福祉大学 大学院・医学部)

【目的】正確にリーチングを行うためには、標的に向かって眼球運動が先行しその視覚的情報を基に指が動く必要がある。脊髄小脳変性症(SCA)とパーキンソン病(PD)でその異常を検討する。【方法】対象は純粋小脳型SCA(SCA6、SCA31)12名、PD10名、健常者(NC)31名。中央から標的にリーチングする課題で、眼球・指運動を同時記録。【結果】眼あるいは指の最終的到達点と標的間の距離が、SCAでNCより有意に大きく(p=0.00, 0.01)、PDでは大きいがNCと有意差なし(p=0.53, 0.64)。これらの距離はPDでNCと同程度正の相関をしたが(r=0.66, 0.65)、SCAでは相関がより弱かった(r=0.53)。NC/PDでは眼の動き始めから指の動き始めまでの時間が比較的一定であったが(293±133ms/251±117ms)、SCAでは延長し、かつばらついた(433±203ms)。【結論】眼と指の空間的時間的連関はPDよりSCAで強く障害されている。