[P18-1] パーキンソン病患者における時間的展望の特徴
【目的】時間的展望とは、人生の過去・現在・未来に対して持つ意識や態度を意味するが、これが健常人とパーキンソン病(PD)患者で異なるかどうかを検証する。【方法】対象は健常者18名(71.1±10.8歳)、PD患者25名(70.9±7.5歳、UPDRS-III 16.5±12.7点)。日本版Zimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)を用いて、時間的展望の特徴を両群で比較した。【結果】ZTPIの評価項目のうち、現在快楽(Present-Hedonistic, PH)の点数はPD患者で健常者よりも有意に低かった(T-test, p = 0.0186)。他の評価項目である現在運命(Present-Fatalistic, PF)、過去肯定(Past-Positive, PP)、過去否定(Past-Negative, PN)、未来(Future)の点数には両群間で有意差はなかった(p>0.05)。【結論】ZTPIにおいてPHの点数の高さは現在の快楽を求めて行動する傾向を表す。これがPD患者で低かったことは、PD患者の持つ真面目で几帳面な性格傾向を反映している可能性がある。