日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳磁図

[P2-7] 脳磁図を用いた脳の図形記憶処理と漢字記憶処理の比較検討

深沢敬亮1, 市川小百合1, 保子英之2, 鴫原良仁2,3 (1.社会医療法人 熊谷総合病院 医療技術部 臨床検査科, 2.北斗病院 精密医療センター, 3.熊谷総合病院 MEGセンター)

【目的】脳磁図で視覚誘発磁場の記録および統計解析を行い、図形および漢字の視覚情報処理経路を推定した。【方法】健常成人24名に対し、RICOH社製脳磁計測システム(RICOH160-1)を用いて図形記憶、漢字記憶の視覚刺激を両側眼にそれぞれ与え、視覚誘発磁場を記録し、各処理過程を統計解析により経時的に比較した。【結果】図形記憶と漢字記憶を比較すると、図形記憶は刺激から75ms後に両側後頭部で応答が見られ、375ms後には右側頭部により応答が見られた。一方、漢字記憶は75ms後に右後頭部に応答が見られ、375ms後には左側頭部により応答が見られた。【結論】図形記憶はまず背側視覚野で処理が行われ、遅れて腹側経路での処理と続く。一方、漢字記憶は最初に低次視覚野優位の活動があった後、腹側経路中心の処理が行われ、遅れて言語認識を行う左側頭部に伝達されることが示唆された。