[P2-9] 磁気抵抗効果素子(MR)を用いた体性感覚誘発脳磁場(SEF)測定
【目的】脳磁場計測は高い空間分解能を有し、有用性が数多く報告されている。今回、我々は常温で動作する磁気抵抗効果素子(MR)を用いて体性感覚誘発脳磁場の測定に成功したので報告する。【方法】測定にはTDK製MR磁気センサアレイ(4×5)を用いた。健常者3名の正中神経を手関節部で刺激し、刺激と対側のShagass点近傍で体性感覚誘発脳磁場を測定した(加算平均2000回)。【結果】全例で体性感覚誘発脳磁場の測定に成功した。磁界強度は頭部からの吹き出し方向371±80.4 fT、吸い込み方向430±146.8 fTであり、M20頂点潜時は19.63±0.56 m/sと、同一被験者のSQUIDセンサの結果と同様であった。【結論】MR磁気センサは、常温駆動が可能で液体ヘリウムが不要なため、センサ配置の自由度や扱いやすさ、低ランニングコストなど大きな利点があり、体性感覚誘発脳磁場への応用が期待される。