[P21-12] 抗MAG抗体関連ニューロパチー:予後不良群の神経伝導の特徴
【目的】抗MAG抗体関連ニューロパチーに対しrituximabの有効性が示唆されているが、治療適応についての基準はない。本疾患の予後及び治療適応について検討する。【方法】抗MAG抗体関連ニューロパチー連続19症例(男性15例、年齢中央値69歳)を対象とした。発症から杖歩行になるまでの期間についてKaplan-Meier法で解析し、予後不良群の初回評価時の特徴について検討した。【結果】6例(32%)で発症から3年以内に進行性に悪化し杖歩行に至った。杖歩行となった予後不良群6例はその他の13例と比較し、年齢、罹病期間等に差はなかった。運動神経伝導検査では、遠位潜時に差はなかったが、予後不良群で尺骨神経の伝導速度が有意に低下していた。【考察】約3割で進行性に神経症状の悪化が認められ、早期からの治療介入が望ましい。脱髄が神経終末から神経幹に波及している群で予後不良な可能性があり、神経伝導検査が治療介入の判断に有用と考えられた。