[P21-5] 大腿深動脈瘤に伴う坐骨神経障害
【症例】72歳、男性。X日に突然左下肢麻痺が出現し、X+1日朝には改善していたが午後に症状再燃した。X+3日に近医で左下肢血行不良を指摘されCTで左大腿深動脈瘤を指摘された。X+4日に当院心臓血管外科に転院しX+5日に動脈瘤切除術を実施した。左下肢麻痺が遷延するためX+10日に脳神経内科受診となり、遠位筋優位の左下肢筋力低下、左アキレス腱反射消失、左膝以下外側~足底での痛覚障害を認め、坐骨神経障害と考えた。X+11日の神経伝導検査では左脛骨神経でCMAP低下(0.6mV)、左腓骨神経は導出困難、左腓腹神経はSNAP低下(5.6μV)を認め、軸索性障害の所見であった。症状は遷延しX+33日にリハビリテーション目的に転院した。【考察】左大腿深動脈瘤に伴う坐骨神経障害の病態について、動脈瘤による圧迫やコンパートメント症候群では説明できず、坐骨神経への栄養血管が障害されたことで虚血性障害を生じたと考えた。