[P21-9] 抗CNTN1 IgG4抗体陽性,IgG4 関連疾患を合併した脱髄型ポリニューロパチーの一例
【症例】68歳男性.四肢近位,遠位筋の脱力と手袋靴下型の感覚障害が半年の経過で進行した.神経伝導検査で脱髄型ポリニューロパチーを認め,血清IgG4 623mg/dL,抗CNTN1 IgG4抗体陽性,尿蛋白1.7g/日であった.画像検査で涙腺,顎下腺,縦隔リンパ節腫脹,腎盂壁の肥厚を認めた.縦隔リンパ節生検でIgG4陽性細胞は15/HPFと増加し,IgG4/IgG陽性形質細胞比が50%と上昇していた.腓腹神経生検ではmacrophage associated demyelinationを認めたが,明らかなparanodal axo-glial detachmentは認めなかった.IVIgは奏功せず,PSL投与により症状の改善を認めた.【考察】IgG4関連神経障害として,軸索型多発単神経炎の既報告は認めるが,脱髄型多発ニューロパチーを病理学的に証明した報告例はない.抗CNTN1抗体が陽性,症状・経過はCIDPに典型的だが,paranodeの障害は認めなかった.IgG4関連疾患,抗CNTN1 IgG4抗体関連CIDP,典型的CIDPとの異同について考察する.