[P22-2] 2019年夏季に当科で経験した流行性筋痛症の成人例10例の検討
2019年夏期に全国でパレコウルイス3型感染症に伴う流行性筋痛症が流行し、当院にも多くの患者が受診した。主症状とされる発熱後の全身の筋痛、把握痛、脱力を呈した例を流行性筋痛症と臨床診断し、特徴を後方視的に検討した。対象は10例で全て男性、全例で症状は前腕、大腿部に強く出現し、既報告同様に握力低下が目立った。特に深指屈筋にGiving wayが目立つ筋力低下の分布を呈し、特徴的な所見と考えられた。4例で筋電図検査を行い深指屈筋の筋原性変化を認めたが、他筋では殆ど異常を認めなかった。血液検査では全例でcreatine kinase上昇を認めた。9例で陰部痛が前駆した。6例で周囲に感冒症状を呈した小児がいた。咽頭拭い液でウイルスPCRを1例のみ行うことができ、パレコウイルス3型感染を証明した。流行性筋痛症は数年おきに流行するがあまり知られておらず、特にこれまでに筋電図学的な評価を行った症例は少なく貴重な症例と考え報告した。