[P22-5] F波検査が有用であった重症筋無力症の1例
【症例】70歳女性、シェーグレン症候群の為他院通院中の患者。上肢の脱力増強のため、頚髄疾患と運動ニューロン疾患の鑑別の為に当院精査入院。入院時MMT両上肢遠位部>近位部、左>右で3-4/5、両下肢近位筋力低下あり。精査目的で両上下肢の神経伝導検査(以下NCS)を行った。正中神経のF波検査中に連続刺激で振幅の低下を確認。重症筋無力症(以下MG)を疑い、3Hzの反復刺激検査を追加した。結果36%の振幅低下を認め、MGが疑われる所見が取れたため担当医に連絡し、残りのNCSは中止となった。血液検査にてアセチルコリン受容体抗体(+)、胸部CTにて胸腺腫を認め、MGとシェーグレン症候群の合併した稀な症例を報告する。【考察】NCSでは刺激中にモニター上で波形の確認が出来る。結果を出すことだけに没頭せず、波形の細かな変化を捉えられるようモニター上の波形も観察することで、所見を見逃さず質の高い検査結果を臨床側へ提供できるのではないかと考える。