日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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[P24-5] リバース型人工関節全置換術による腕神経叢障害の検査

原友紀, 西浦康正, 松本佑啓, 十時靖和, 大西信三, 山崎正志 (筑波大学 医学医療系 整形外科)

【目的】リバース型人工肩関節全置換術は術後に手のしびれや筋力低下などの合併症が生じることがあり、人工関節設置による腕神経叢の牽引が原因ではないかと考えられている。術後神経障害の診断目的に伝導速度検査を実施した。【対象・方法】リバース型人工肩関節術前と術後1-2か月目に神経伝導速度検査を実施した13例を対象とした。測定項目は両側の正中神経および尺骨神経のMCS, SCS,F波, Semmes-Weinstein monofilament test, 自覚症状とした。【結果】術後4例でしびれと感覚障害が生じた。この4例と術後神経症状のなかった症例を比較したところ、術後神経症状が生じた症例は、尺骨神経F波の術前後潜時差が有意に延長していた。正中神経F波潜時は有意差はなかった。2例は肘部管症候群を発症し、2例は腕神経叢での伝導遅延が疑われた。【考察】リバース型人工肩関節全置換術は腕神経叢下神経幹に影響を与える可能性がある。