日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター リハビリテーション

[P25-1] 健常成人の下肢に対する全身振動刺激が皮質内および脊髄興奮性に及ぼす影響:予備的研究

宮良広大1,2, 衛藤誠二3, 河村健太郎3, 大渡昭彦4, 丸山敦夫3, 下堂薗恵3 (1.鹿児島大学病院 リハビリテーション部, 2.鹿児島大学大学院 保健学研究科, 3.鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 リハビリテーション医学, 4.鹿児島大学医学部保健学科)

【目的】我々は、脳卒中片麻痺下肢への全身振動刺激(Whole body vibration:WBV)による痙縮の軽減、脊髄興奮性の低下、皮質の血流増大が生じることを確認した。今回、TMSとF波を用いて、健常成人の下肢へのWBVが皮質内と脊髄興奮性に及ぼす影響を明らかにする。【方法】対象は健常成人10名。WBVは長座位で、右膝屈筋群と下腿三頭筋に周波数30Hzで5分間行った。WBV後30分まで、TMS二重刺激による右母趾外転筋のSICI、ICFを記録した。また、同じ条件で、両側母趾外転筋から脛骨神経刺激によるF波を記録した。【成績】SICIはWBV前と30分後で、平均0.33から0.55へと低下する傾向があった。非振動側のF/M比はWBV前と20分後で平均2.77から2.50に低下する傾向があった。【結論】健常成人の下肢へのWBVは、終了30分後に運動野皮質内の脱抑制を引き起こす可能性が示唆された。