[P25-12] 下肢随意運動時における上肢脊髄前角細胞への影響の左右差
【目的】本研究では下肢随意運動に伴う上肢脊髄前角細胞への影響の左右差について検討した。【方法】対象は右ききの健常成人14名とした。F波は座位での課題実施中に右正中神経を刺激して右短母指外転筋より導出した。課題は1Hzの頻度で一側下肢を左右へ移動させる運動とし、課題1は無作為に足を接地し、課題2は20cmの間隔で配置した2つの標的(幅5.0cm×長さ10cm)に正確に母趾を接地した。各課題はそれぞれ左右の下肢で実施した。F波分析項目は振幅F/M比とし、統計には対応のあるt検定を用いた。【結果】振幅F/M比は課題1では左下肢に比べ右下肢で増加したが、課題2では差がなかった。【結論】下肢随意運動時の上肢脊髄前角細胞への促通性の影響は、課題1のような簡単な運動中には一側半球内で下肢領域と伴に賦活される上肢領域から投射されるのに対して、課題2のような難しい運動中には両側半球が賦活されるため左右差が生じないと考えた。