[P25-17] 収縮強度の違いが体性感覚入力に及ぼす影響
【目的】本研究では母指球を構成する筋の収縮強度の違いが短潜時SEPに及ぼす影響について検討した。【方法】対象は健常成人6名(平均年齢24.0±2.0歳)とした。課題は背臥位で右前腕回内位での右母指の掌側外転運動とし、最大随意収縮強度の5%、20%の2条件とした。収縮強度は母指の下に配置した電子秤の実測値をみながら一定になるよう調整した。SEPは課題前の安静時と課題実施中に右正中神経を刺激して記録し、N9、N13、N20振幅を分析した。統計学的比較にはDunnett検定を用いた。【結果】N9、N13、N20振幅は、安静時と比べて各課題条件で変化しなかった。【結論】SEP振幅は収縮強度が増大するのに従い、運動関連領野の活動や感覚受容器からの入力が増大することで低下するといわれている。しかし、本研究のような収縮強度を一定に調節する課題では、体性感覚入力の選別が必要になることから短潜時SEP振幅が抑制されなかったと推測した。