[P25-20] 一側母指の運動角度の調節が対側上肢脊髄前角細胞の興奮性に及ぼす影響
【目的】本研究は母指の運動の角度調節が対側上肢脊髄神経機能に及ぼす影響を検討した。【方法】対象は健常成人13名(平均年齢22.5±3.0歳)とし、F波は安静時と課題中に右正中神経を刺激して右短母指外転筋から導出した。課題は左母指の0-20°の掌側外転とし、1Hzの頻度で1分間実施した。課題1は目標を置かず、課題2のみ20°の位置に目標を置いた。分析項目は振幅F/M比と目標角度との絶対誤差とし、安静時と各課題の比較にはFriedman検定とBonferroni補正したWilcoxon検定を用い、課題前後半の比較にはWilcoxon検定を用いた。【結果】振幅F/M比は安静時と比べ各課題で増加した。課題2のみ前半に比べ後半に振幅F/M比と絶対誤差が低下した。【結論】手指運動中は同側運動関連領野が賦活されるが、課題2後半では運動が正確になり同側運動関連領野の活動が減弱し、対側上肢脊髄神経機能の興奮性が減弱すると考えた。