[P25-5] 球脊髄性筋萎縮症の3症例 -筋力の長期経過について-
【目的】球脊髄性筋萎縮症は、脊髄・脳幹の下位運動ニューロンと骨格筋とが変性する遺伝性疾患であり、緩徐進行性で成人男性にのみ発症する。我々は遺伝子診断によって本疾患と診断された3症例を経験した。長期にわたり筋力測定を行い、筋力低下の特徴について考察したので報告する。【対象と方法】対象は1996年から2019年までの間に外来で運動療法を指導し、筋力測定を実施した3例である。開始時平均年齢46歳(35~44歳)、平均当科経過期間13.6年(7.9~16.5年)であった。方法はHOGGAN社製microFETを用い、運動方向を股屈曲・膝伸展・足背屈として筋力測定を行った。【結果と考察】3例は運動療法開始後平均13.4年で歩行不能となったが、近位筋だけでなく足背屈筋力低下も同様に生じ、膝伸展筋力は比較的保たれる傾向にあり、筋力強化介入時に注意すべき項目だと考えられた。