[P25-7] 下肢rTMS(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)とボツリヌス療法,理学療法(PT)の併用による脳卒中片麻痺患者の下肢・体幹機能と歩行能力の改善
【症例提示】右被殻出血を発症した左片麻痺の50代男性.rTMS治療前評価は,下肢Fugl-Meyer Assessment(以下,FMA)9点,左足関節背屈modified Ashworth scale(以下,MAS)1+, Trunk Impairment Scale(以下,TIS)8点,10m努力歩行(以下,10m歩行)は12.4秒19歩であった. ボツリヌス治療は大腿二頭筋, 後脛骨筋と腓腹筋内側頭に施注した. ボツリヌスを施注した3日後から頭頂正中部に照射するrTMSと直後に理学療法を併用するセッションを,2週間に18 セッション施行した. 理学療法は下肢・体幹に対し課題指向型プログラムを実施した.【経過と考察】治療後評価はFMA11点, 左足関節背屈MAS1, TIS 15点, 10m歩行が10.3秒18歩に改善した. Verheydenらは脳血管障害後の体幹機能低下と歩行能力に関連があることを報告している. 歩行再建に向けたrTMSとボツリヌス併用治療後の理学療法は, 下肢だけではなく体幹に対するアプローチを併用することが重要であると考えた.