[P26-10] ヴァーチャル環境における擬似捕球動作:反応時間による評価
【目的】ヴァーチャル環境における擬似的な捕球動作について,上肢の動作反応時間を評価することにより,実環境の場合と比較してどのような相違が生じるのか検証する.【方法】健常成人13名が実験に参加した.実験参加者は,実環境およびその環境を模擬したヴァーチャル環境(CAVE)において,飛来するボールに対する(擬似)捕球動作を行った.捕球腕の三角筋前部,上腕二頭筋,橈側手根屈筋の表面筋電図を記録し,またゴニオメーターにより肩関節屈曲運動を計測した.【結果】ヴァーチャル環境においては,三角筋前部の筋活動開始から肩関節の屈曲運動開始までの筋運動時間が,実環境と比較して有意に短くなった.また実環境でみられた捕球腕各筋の活動開始時間のずれが,ヴァーチャル環境では一部消失した.【結論】実環境で行われる捕球動作の筋活動パターンおよび動作反応は,ヴァーチャル環境下では変容する可能性がある.