[P26-8] パーキンソン病における転倒を予測する重心動揺測定による定量的解析
パーキンソン病(PD)における姿勢反射障害は薬物療法, DBSなどの治療法に反応しにくく,進行期PD治療の問題点のひとつである.本研究では,重心動揺,体幹運動を定量的に測定し,転倒との関係を検討した.PD13 例を対象とした.平均年齢64.2歳. Modified Falls Efficacy Scale(MFES),Gait and Falls Questionnaire(GFQ)で評価した.体幹反復運動時頭部角速度のpeak power(PH)を抽出し,重心動揺偏倚のpeak powerを頭部角速度のpeak powerで除した値(DCOP/PH)を,体幹反復運動時の重心動揺の指標とした.PHはMFES, GFQ,UPDRS motor scoresと有意に関連した.前後方向でのDCOP/PHはGFQと有意な相関を示した.回旋運動時の前後方向の動揺が大きいほどすくみのスコアが高かった.体幹反復運動,重心動揺パラメーターとMFES,GFQは相関しており,体幹反復運動の定量的評価で転倒,すくみの臨床スケールを客観的に数値化してとらえられる可能性が示唆された.