[P27-13] 胸椎後縦靭帯骨化症に対する前方除圧・骨化浮上手術における筋誘発電位による術中脊髄モニタリング
【目的】当院で胸椎後縦靭帯骨化症(T-OPLL)に対する前方骨化浮上手術(ADF)に経頭蓋電気刺激・筋誘発電位測定(Br(E)-MsEP)を併用した症例について検討した。【方法】対象は2013年3月から2020年5月までに当院でT-OPLLに対しADFを施行した22例である。年齢は平均49.9歳(32歳から76歳)、罹病期間は平均7.5か月、OPLLの最大占拠率は平均57.3%、術前のTJOAスコアは4.57であった。Br(E)-MsEPはコントロール波形の振幅の70%以上の低下を有意な変化とし術後の神経症状を確認した。【結果】MEPの導出ができた16例中(72.7%)、手術中に70%以上の低下を認めアラームを出した症例は3例(18.8%)であり、このうち2例は手術終了時まで波形消失のままであった(true positive)。アラーム後に振幅が回復した症例は術後の麻痺は認めずrescueされたと考えられた。False positiveは無かった。【考察】Br(E)-MsEPによる術中のアラームは術後の運動麻痺を回避に有用と考えられる。