[P28-1] 筋に関係する経絡上の経穴および支配神経上の経穴に対する経穴刺激理学療法が脊髄運動神経機能の興奮性に与える影響
【目的】経穴刺激理学療法(ASPT)の従来の方法である対象筋に対応した経絡上の経穴への刺激と、支配神経上の経穴への刺激のそれぞれが脊髄運動神経機能の興奮性に与える変化に差異が生じるか、F波を用いて検討した。【方法】健常者20名に対し、正中神経刺激することにより母指球上の筋群からF波を導出した。刺激経穴は母指球上の筋群に対応した経絡上の経穴である尺沢(上腕二頭筋腱の外側)と、母指球上の筋群の支配神経である正中神経の走行上の経穴であるゲキ門(前腕掌側中央)とし、それぞれにASPT抑制手技を行った。F波の計測は安静時、ASPT試行中、刺激直後、5分後、10分後、15分後に行った。【結果】尺沢、ゲキ門のいずれの刺激においても出現頻度は刺激時と比較して刺激直後、5分後、10分後、15分後にて低下した。【結論】筋に関係する経絡上の経穴と支配神経上の経穴に対するASPT抑制手技は、共に脊髄運動神経機能の興奮性を抑制する可能性が示唆された。