[P28-4] 加算平均処理と平均値処理でのF波振幅値の比較
【目的】脊髄前角細胞の興奮性の指標として用いられるF波は、多様性に波形が出現することが一つの特徴である。本研究ではこの多様性に出現する波形の分析方法を確立するための前段階として正中神経刺激にて得られたF波の加算平均処理後の振幅値が平均振幅値を反映するか否かを検討した。【方法】対象者は健常者25名、平均年齢22.1±2.1歳である。安静の状態で非利き手側の正中神経に30発の電気刺激を与え短母指外転筋からF波を導出した。全波形を対象に加算平均処理を行い得られた波形の振幅値と、各波形の振幅の平均値を比較した。【結果】加算平均法処理にて得られた振幅値は、平均振幅値より有意に低下した。【結論】健常者の正中神経刺激にて得られたF波において加算平均処理後の振幅値は平均振幅値を反映しないことが示唆された。今後は加算平均に影響する波形の多様性について追及する必要がある。