[P3-5] 健常者の脳灰白質容積の変動性について
【目的】Voxel Based Morphometry(VBM)は,磁気共鳴画像法(MRI)で撮像した脳画像から脳灰白質容積を算出することが可能な手法である.本研究では,数ヶ月の間隔を空け撮像した脳画像を用い,脳灰白質容積の変動性を明らかにすることを目的とした.加えて,脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型が脳灰白質容積の変動性に及ぼす影響についても解析した.【方法】健常成人40名(22.2±2.3歳,Val/Val型17名,Val/Met型13名,Met/Met型10名)を対象とした.MRI撮像には3T-MRI装置を用い,約4か月(115.6±42.8日)の間隔を空けて2回撮像した.各時点の全脳および局所脳灰白質容積はVBMを用いて算出し,級内相関係数(ICC)を求めた.【結果】BDNF遺伝子多型に影響されず,全脳および局所脳灰白質容積で高いICCを示した.【結論】数ヶ月間の間隔を空け計測した健常者の脳灰白質容積は安定していることが明らかになった.