[P4-5] 視差勾配の違いが自己運動知覚に与える影響:視覚誘発電位による検討
【目的】オプティックフロー(OF)と視差勾配を伴うランダムドットステレオグラム(RDS)を組み合わせた刺激に対する視覚誘発電位を記録し、視差勾配が自己運動知覚に与える影響を調べた。【方法】刺激はOF、両眼視差を一様につけたRDS(C-RDS)、放射状に視差勾配をつけたRDS(RG-RDS)、OFとC-RDSの同時刺激(C-RDS&OF)、OFとRG-RDSの同時刺激(RG-RDS&OF)の5種類とした。被検者は若年健常成人17名である。【結果】RG-RDS&OF、C-RDS&OFに含まれるOFの要素を抽出するために、C-RDS&OFとC-RDS、RG-RDS&OFとRG-RDSの差分波形をそれぞれ作成した。どちらの差分波形もOFと同様に(1)潜時190msの陰性頂点が頭頂部、(2)潜時250msの陽性頂点が中心部に見られた。RG-RDS&OFとRG-RDSの差分波形では(3)潜時450msの陰性頂点が中心部に出現した。【考察】(1)と(2)は先行研究と同様であった。(3)は視差勾配の影響を受けた自己運動知覚に関する反応の可能性がある。