日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 体性感覚誘発電位・体性感覚誘発磁界

[P5-1] 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)のバイオマーカーの探索:巨大体性感覚誘発電位(SEP)の高周波振動(HFO)の多数例解析

戸島麻耶1, 人見健文2, 大井和起1, 小林勝哉1, 宇佐美清英3, 下竹昭寛1, 松橋眞生3, 高橋良輔1, 池田昭夫3 (1.京都大学大学院医学研究科 臨床神経学, 2.京都大学大学院医学研究科 臨床病態検査学, 3.京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学)

【目的】良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)は皮質ミオクローヌス(CM)を来し,皮質振戦を特徴とする.他のCMを来す疾患と鑑別する臨床的バイオマーカーは明らかでなく,今回検討した.【方法】2008~2020年3月にCMと診断され,上肢の巨大体性感覚誘発電位(SEP)を認めた連続症例において,BAFME群とその他のCM群で臨床症状とSEP所見を比較した.SEP波形に400~1000Hzのbandpass filterを用いて,P25周囲の高周波振動(P25-HFO)の有無も確認した.【結果】対象はBAFME群22例,その他のCM群40例で,BAFME群において有意に抗てんかん薬の使用,SEPのP25,N35振幅の増大,P25-HFOを認めた(p=0.001, 0.01, <0.0001, <0.0001).BAFME診断におけるP25-HFOの感度,特異度は96%,88%で,検討した各因子の中で最も高かった.【結論】P25-HFOはBAFMEの有用なバイオマーカーとなり,皮質振戦の病態(律動性,軽微から陰性の小脳症状など)を反映する可能性がある.