[P5-7] 巨大体性感覚誘発電位(SEP)に続いて繰り返す広周波数帯域の事象関連同期(ERS):cortical tremorとの関連
【目的】巨大SEPにおけるP25周囲の高周波振動を以前報告したが(戸島ら,2019)、 P25以降の高周波活動を詳らかにするため、単一試行波形に基づく事象関連同期(ERS)現象を調べた。【方法】2018年4月~20年6月に皮質ミオクローヌスを呈し、上肢で巨大SEPを認め、かつ単一刺激試行波形が記録された症例を対象とした。単一刺激試行波形を時間周波数解析(TFR)後、加算平均し、目視でERSを評価した。対象は29例、58上肢(うち良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)13例、Unverricht-Lundborg7例)だった。【結果】1000kHz以下の広域周波数帯域のERSを繰り返し認め、ピーク潜時は平均24ms、71ms、117msで、それぞれ24上肢、33上肢、23上肢で認めた。【結論】1)単一試行のTFR結果を加算することで、従前のSEP加算波形よりも高周波活動を多く検出した。2)交互に繰り返す事象関連同期はcortical tremorの律動発現機構に関連する可能性がある。