[P6-2] 生物・非生物の視覚刺激は脳後方で異なる神経活動伝播をもたらす
【目的】生物と非生物を見た時の脳後方の情報伝播様式の違いを明らかにする。【方法】難治焦点てんかんの焦点切除術の術前評価目的で硬膜下電極が留置された12人に同意を得て、生物・非生物からなる視覚性呼称課題を行った(IRB#C533)。神経発火活動の指標となる80-150 Hzの高ガンマ帯域(HG)活動が刺激呈示500 ms以内に強く見られた電極で、生物・非生物のHG活動の伝播様式の違いをGranger因果性解析変法により検討した。【結果】12患者の計1142電極の中で、強いHG活動が見られた103電極を解析対象とした。後頭側頭葉(TO)・側頭葉底面後方(pTbase)内の各々31・43電極間で情報伝播の解析を行った。生物の刺激提示後約250 msで、pTbase内での情報伝播が非生物より有意に見られた。また、非生物ではその時間までTO内伝播がpTbase内伝播より優位であった。【結論】生物の視覚性刺激は、非生物のそれよりpTbase優位の情報処理をもたらす。