[P6-9] クリック音間隔の規則性に依存する変化関連皮質応答
これまで我々はクリック音を一定間隔で持続させるときに見られるOFF反応の潜時にはクリック間隔の情報が含まれていることなどを示してきた。今回は一定の間隔でクリック音を持続させ、その後間隔をランダムに変化させるパラダイムを用いた研究を行った。皮質応答はMEGにより観察し信号源をBESAにて解析した。クリック音間隔の規則性を変化させると、約100ms後に明瞭な変化関連応答が見られた。また、クリック音の間隔を等間隔→不規則に変化させたのと同じように、不規則→等間隔でも反応が観察された。次に同じパラダイムでABRと中長潜時反応を同時に測定した。ABRの∨波はクリック音の間隔に応じて正確に発生し、振幅や潜時に変化はなかった。しかしN1/P2変化関連応答はクリック音間隔の変化後に見られた。結果からは中脳から聴覚皮質までの間にこのような規則性変化に対する情報が付加されたものと推測される。