日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 筋電図(針・SFEMG・表面)

[P7-8] 表面筋電図で脳深部刺激療法前後の筋活動の変化を捉えた体幹が背屈する局所性ジストニア(extensor truncal dystonia)の1例

中屋亮彦1, 金子仁彦1, 松本有史1, 永松謙一2, 久永欣哉1, 永野功1 (1.宮城病院 脳神経内科, 2.宮城病院 脳神経外科)

【症例】患者は55歳男性。X年11月に急に腰痛が出現し、痛みをかばうように背中を反っているうちに無意識に体幹が背屈するようになった。表面筋電図で、肩関節外転位では両側僧帽筋、肩関節屈曲位では両側大胸筋の筋活動を認めたが、それらの拮抗筋である両側広背筋は体位によらず筋活動が持続していた。広背筋が責任筋の1つである体幹の局所性ジストニアと診断した。トリヘキシフェニジルやバクロフェンなどの内服加療やボトックス療法は効果が乏しく、X+1年11月に両側淡蒼球内節への脳深部刺激療法(DBS)を施行し症状は改善した。術後の表面筋電図で、両側広背筋の持続性筋活動は消失したが、術前よりも両側僧帽筋と両側大胸筋の筋活動は増加していた。【考察】DBSにより体幹筋の協調関係が変化していることを表面筋電図で捉えることができた。表面筋電図はジストニアに対するDBSの効果を客観的に評価する手段として有用である。