[P8-14] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者96例における四肢筋力低下についての検討
【目的】COVID-19患者における四肢筋力低下について検討する。【方法】2020年2-5月に当院に入院したCOVID-19患者96例を対象に、筋力低下の臨床像と電気生理学的検討を行った。【結果】診療録検索で筋力低下を認めたのは96例中19例(20%)で、いずれも酸素5L/min以上あるいは気管挿管・人工呼吸器を要しICUに入室していた。軽症者での発症はなかった。19例はICU全入室者の56%(19/34例)に相当した。19例中4例で血清CKは正常上限の5倍以上の一過性上昇がみられた。隔離解除後にNCSを施行しえた9例のうち、6例でCMAP, SNAP振幅低下を認め、波形からは軸索障害主体で一部軽度の脱髄による病態と考えた。この6例は発症から2-3ヶ月経過後も筋力低下が残存していた。Critical illness myopathy/polyneuropathyのみならず、ウイルス感染後に自己免疫性末梢神経障害を合併した可能性を考慮し経過観察中である。【結論】COVID-19重症患者では高頻度で四肢筋力低下を認めた。