[P8-17] 短母指外転筋に対する圧刺激が脊髄前角細胞の興奮性に与える影響
【目的】短母指外転筋上の皮膚に対する圧刺激が短母指外転筋に対応する脊髄前角細胞の興奮性に与える影響について検討した。【方法】対象は右利きの健常成人25名(平均年齢24.6±4.7)とした。実験は右短母指外転筋上の皮膚面に対して垂直に30秒間圧刺激を与え、その前後に右手関節部の正中神経を電気刺激し、右短母指外転筋の筋腹上からF波を記録した。圧刺激の強度は、痛覚閾値強度および痛覚閾値の50%強度の2種類とした。F波の分析項目は、出現頻度および振幅F/M比とした。【結果】痛覚閾値強度での圧刺激後では、圧刺激前と比較して出現頻度および振幅F/M比に変化を認めなかった。痛覚閾値の50%強度での圧刺激後では、圧刺激前と比較して出現頻度および振幅F/M比が低下した。【結論】短母指外転筋上の皮膚に対して痛覚閾値の50%強度で圧刺激を行った後では、短母指外転筋に対応する脊髄前角細胞の興奮性が低下することが示唆された。