日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 神経伝導検査・誘発筋電図

[P8-2] 注射針により正中・内側前腕皮神経損傷をきたした1例(神経伝導検査と神経エコー所見を中心に)

高橋修1, 榊原隆次2, 清水彩未1, 瀧口真央1, 西村春香1, 丹治直映1, 守永幸大1, 金徳男1, 田端強志1, 清水一寛1, 高田伸夫1 (1.東邦大学医療センター佐倉病院 臨床生理機能検査部, 2.東邦大学医療センター佐倉病院 脳神経内科)

(症例)21歳男性、ペースメーカー適応のため当院循環器受診。静脈造影のため、上腕静脈からラインを確保し15分後左腕痺れを自覚、ペースメーカー植え込み術が2時間半後に終了した。術後も痺れが残存、改善しないためNCSと神経エコーを行った。(結果)受傷から6日目にNCSが行われ左正中神経の振幅低下と左内側前腕皮神経が誘発されなかった。受傷から43日目に神経エコーでは、正中神経が左右差を認め腫大していた。NCSは、1回目同様に左正中神経と共に(感覚)の振幅低下もみられた。3ヶ月後神経エコーは、腫大が増大していた。(考察)内前腕皮神経は、表皮から浅い部位を走行しており、尺側皮静脈の周囲を全周性に走行し神経損傷のリスクが最も高い部位である。また尺側皮静脈と肘正中皮静脈の合流部は皮神経が静脈上部に走行し神経損傷のリスクが高い。今回の症例では正中神経も損傷しており、尺側皮静脈刺入による神経損傷が考えられた。