日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 神経伝導検査・誘発筋電図

[P8-21] 正中法ENoGは顔面神経全体の病態を反映するか

和田晋一1, 仲野春樹2, 大栗聖由3, 小林昌弘4, 藤岡重和5 (1.天理医療大学 医療学部 臨床検査学科, 2.大阪医科大学 総合医学講座 リハビリテーション医学教室, 3.香川県立保健医療大学 臨床検査学科, 4.天理よろづ相談所病院 臨床検査部, 5.大阪保健医療大学 保健医療学部 リハビリテーション学科)

【目的】正中法ENoGは導出電極を人中に基準電極をオトガイ隆起部に設置する方法であるが、各表情筋のENoG値を反映できているかを治癒期間との関係から検討した。【方法】末梢性顔面神経麻痺患者25名を対象とした。正中法の他に基準電極を頭頂部に固定し、導出電極を眼輪筋上、鼻筋上、口輪筋上、口角下制筋上の4ヶ所に設置し、左右それぞれのENoG値を算出した。【結果】正中法と各筋のENoG値の相関係数(r)は口輪筋r=0.827、眼輪筋r=0.739、鼻筋r=0.808、口角下制筋r=0.845と高く、4筋の合計によるENoG値ではr=0.915と強い相関がみられた。治癒期間との相関は正中法でr=-0.707に対し、口輪筋r=-0.601、眼輪筋r=-0.546、鼻筋r=-0.593、口角下制筋r=-0.541で、全表情筋ではr=-0.639であった。【考察】正中法ENoG値と治癒期間とのrは-0.707と最も高く、4筋の合計でのENoG値とのrも0.915と高いことから顔面神経全体の病態を反映できていると考えられた。